第4回 祭りの「中止」と「順延」
第4回は、「中止」です。
東日本大震災の影響により、祭りの中止や規模縮小が相次ぎました。
浜松まつりなどのように、被災地や計画停電地区以外での祭も、広範囲に中止や規模縮小が伝えられています。
新潟中越地震や阪神大震災の年でも、被災地区では当然に中止や延期などの対応はありましたが、今回のように被災地区や停電地以外でこんなに大規模に祭りの中止が相次ぐことはなかったように記憶しています。
今回のテーマの「中止」は、どんなときに祭りの中止があるかを考えます。
・雨天中止/荒天中止
屋外の祭りだと、いちばんよくあるパターンです。
衣装・小道具・楽器類など、水に弱いものを使う祭りは小雨でも中止にします。越中おわら風の盆などが小雨でも中止にするので有名です。
よさこい系の祭りや盆踊りなどでは、意外と土砂降りでも決行することがあります。
郡上踊りで、雨の中、浴衣をびしょ濡れにしながら楽しそうに踊っている場面を見たこともありました。よさこい系で、水に弱い衣装を制作するとえらい目にあいます。
・強風中止
花火や、大きな旗を使う祭りなど、風に影響されるものがある祭りでは、強風中止もあります。
・火災や自然災害で中止
神社境内や祭り用具保管庫などが火事や洪水などで失われたた場合、物理的に開催不可能で中止になることがあります。
今回の地震でも、多くの被災地は明示されなくても中止となるでしょう。
・祭りの顔役の不幸により中止
宮司・氏子総代・祭りの総責任者などが身内の不幸で中止になることも、地元密着の小さな祭りだとありえます。
観光客がたくさん来る大きな祭りだと、利害関係者が多いので、こうした理由で中止になることは稀です。責任者交代などで乗り切るでしょう。
・財政難で中止
祭りには多額のお金がかかります。特に大口スポンサーがある祭りでは、その会社等が業績不振におちいると、祭りが開催できなくなることがあります。
古河電工が主催する「日光和楽踊り」が2009年、リーマンショックの影響で中止に追い込まれたことはまだ記憶に新しいことです。
今後、自治体の破綻や財政見直しで、町おこしイベントの類が中止や規模縮小に追い込まれることも予想されます。
大阪の御堂筋パレードも同じ理由で終了、別形式のイベントになりました。
・伝染病流行により中止
都市型の祭りはもともと疫病退散を祈願する祭りが多いのですが、現実に流行してしまうと、どうしようもないのです。
祇園祭も、戦前にはコレラ流行のために11月に祭り延期となったことがありました。
・戦争で中止
第二次世界大戦前後、政府の命令により、すべての祭りが中止に追い込まれました。今回の地震で中止になった祭りの多くは「戦後初の中止」という例が多く見受けられました。
平和のありがたみをかみしめたいものですね。
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