【祭みたまま】七日堂裸詣り・会津柳津

★ 情報提供者:はっちゃん

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 こんばんは はっちゃんは今年も会津の柳津に行ってまいりました。
 毎年1月7日の夜に福島県柳津町の圓蔵寺の菊花堂で行われる裸祭りです。
奇祭として有名ですからお寺の鰐口からぶらさがった綱をよじ登る、裸男の写
真をご覧になった方も多いと思います。ご報告させていただきます。

【支度部屋にて】
 今年も、つきみヶ丘町民センターの支度部屋には男達が集まりました。再会
を喜び、健康で祭りに参加出来ることを祝して、茶碗酒です。会津は酒どこ
ろ、するめをかじっての冷や酒はこたえられませんね。
 一年振りの顔振れをちょっと紹介しますね●3回目でも持ち前の朗るさで、
人気者の浜松君。彼は去年行った祭りが30余箇所、参加した祭りが11箇所を誇
っています●9回目の横浜君。今年5月にめでたく結婚。来年は二人で参加?
●話し振りはシャイだけど、支度は目立つ赤褌の大阪君。初参加でがんばりま
す●今年は岩手・岡山と二晩連続裸祭り挑戦予定の、松戸君●背広にネクタイ
のまま車で駆けつけた富山君●紫褌の大先輩。先輩は還暦からさらに3回目●
参加回数を聞かれ、指を折りながら「23回かな?」とつぶやいた地元さん●背
中にマジックペンで大きく「牛」と書いた青年団、彼等は毎年新年会を兼ねて
祭りに参加。地酒の名所で、乾杯用のシャンペンまで用意して盛り上がりま
す。●そのほか毎年みかける地元君達等々多彩な男達です●そして酒がなくな
ったら奥から出して来てくれたり、時間を見計らって着替えや出発等を仕切っ
てくれる町役場さんたち。役場さん達は「七日堂裸詣り・福島県柳津町」の字
が巻き始めの所に印刷された町役場御用達褌で参加です。
 こんなお祭り男がわいわいがやがや、やるのですから始めての人でもあっと
いう間に仲間になってしまいます。支度部屋に集まった50人位のうち三分の一
位は初参加のようでした。
 町内のあっちこっちに支度所があります。旅館、民宿はもちろん、近くの民
家にも集まって支度しているようです。中学生、高校生のクラブ単位や「クラ
ス全員志望校合格」と背中に大書した先生を中心の柳中生の参加も恒例なんで
す。

【牛寅の守り】
 虚空蔵尊は、基本的には牛寅年生まれの人の守り神なのだそうです。境内に
も、「幸運の撫で牛」なんてのもあります。
 今年は牛年なので、例年より参加者が多いのではともいわれていたのです
が、土日が絡んだ去年より、参加者がややへったように感じました。それとも
観光客が減ったために堂内が歩きやすかったからそう感じたのかもしれません
が。でも祭りが終って帰りの石段を降りきった所で、「牛寅祭り実行委員会」
から300mlの御神酒を一本ずつもらいました(^_^)/

【堂内風景】
 今年は私は主に、裸男達の一番後方にいて、内陣の中を覗き込んでみまし
た。例年は格子越しに外の風が入ってきて大変寒いのですが、今年は暖かった
ので見ていることが出来ました。祭りの始めのころ墨染めの衣の体格のいいお
坊さんが、格子越しに盛んに声援を送っていました。去年はそんなことが無か
ったのでちょっと不思議な感じがしたのですが、カメラマンの人に聞いたとこ
ろ、祭りの始まる30分前に、御坊さんが試しに昇ってみたのだそうです。きっ
とその御坊さんでしょう。
 菊花堂の概略を記してみます。(平面です)
      ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
      ┃          御本尊           ┃
      ┃                        ┃
      ┃          牛王の矢           ┃ 内陣
      ┃           住職            ┃
      ┃                        ┃
      ┣****木格子**************************木格子****┫
      ┃見物   裸男 裸男 裸男 裸男 裸男   見物┃
      ┃見物   裸男 裸男 裸男 裸男 裸男 裸男   見物┃
      ┃カメラ&見物 裸男裸男裸男裸男裸男   カメラ&見物┃
      ┃-----段差------------鰐口------------段差-----┃
      ┃カメラ&見物  裸男裸男 綱 裸男裸男    警備 ┃
      ┃見物    裸男 裸男裸男裸男 裸男      見物┃
      ┃見物    裸男 裸男 裸男 裸男     見物┃ 外陣
      ┃ 警備  カメラマン・見物 カメラマン・見物 警備┃
      ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 鰐口の綱は毎年正月3日に綱打ちがおこなわれています。真新しい麻綱で
す。よじ登って行くとき、滑り降りるときに、内股、すね、腹等が綱で擦れ
て、細かい擦り傷が出来ています。それでも元気な若者は鰐口の下の、塞銭箱
を踏台に果敢に綱に飛びついていきます。
 今年は赤ふん組みが5〜6人いたのですが、積極的に落とされていました。
大阪君も同様です(^_^)。でもさすが彼等は赤ふん君です。積極的に何度も何
度も飛びついていきます。そして狙い撃ちにもめげず上がって行く事が出来た
赤ふん君はカメラマンのヒーローです。確かに白い褌の群れのなかに赤褌が一
人いると写真がぐっと締まるんですネ。紫褌の大先輩は2回も上がっていまし
た。大したもんです。
【牛王の矢】
 今この報告を書いている私の手元に2本の矢があります。
 先端の冬芽がそのまま鏃になった真直ぐな朴の木の新枝で出来ています。長
さは全長54cmと56cm。先端の冬芽は約5cm。太さは1cmありました。矢羽根の部
分は15cm〜19cmきれいに皮が剥かれ二つに割られて和紙がはさんであります。
長い方は今年戴いてきたばかりで、みずみずしく樹皮も紫がかった濃い茶色で
す。短いほうは去年戴いてきた牛王の矢で、乾いて、色は明るい茶色になりす
っかり軽くなっています。
 和紙は大きさ8寸×尺1寸の半紙を横に使い梵字の様なものが6字ほど木版
で黒く書かれ朱色の丸い印が5箇所文字に重ねて押されています。紙は2本と
も同じもので矢羽の形に4つにおられ、朴の枝の割れ目にはさまれ固く巻きつ
けられています。
 この牛王の矢は菊花堂で祭りの間、御住職が内陣で 悪魔退散無病息災を祈
念して一本一本御経をあげて下さった365本の内の一本です。この365本分の御
経が上がると、2番の鐘がなって、祭りの終りです。
 去年の矢の冬芽をそっと手で割ってみました。固い芽の中から朴の木の花芽
が出ててかすかに花の香が薫ってきました。
 花の香を楽しんだ後、枝と共に、自宅近くの神社へ御焚きあげに納めて、新
しい矢を飾りました。



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